毛髪が復活する

一部の人には福音のように響くタイトルかもしれないが、画期的な発毛剤を見つけたとか特許レベルの育毛法を開発したとか、そういうことではない。例によって息子のことである。

息子に髪が生えてきたのだ。

と言ったところでもちろん、9ヶ月にもなる息子にこれまで一本の髪もなかったわけではない。逆に、予定日を過ぎてまで母の中にしぶとく居座っていたせいか、生まれてきた時点で既に相当しっかりと頭髪は生え揃っていた。羊水でしっとりと頭に張り付いているくらいだったのだ。

そこに変化が見られたのはいつ頃からだっただろうか。気が付けば、彼の後頭部にはぽっかりと楕円形のハゲができていたのである。理由は容易に推察できるが、なにせまだ寝返りもできない赤子のこと、ずっと仰向けで頭の裏を布団にこすり付け続けていれば、その箇所の髪の毛が薄くなるのも当然であろう。抱っこしたり授乳してもらったりもあるとはいえ、一日の大半を過ごす基本姿勢がそれなのだから。

一般的にはどうなのだろう。この点で我が子が特殊だとも思えないので、普通によくあることなのだろうか。その辺はわからないが、とにかく寝返りを覚え、わりと自由に動けるようになってからもなおしばらくは、その部分ハゲが新生児時代の名残のように主張を続けていた。

それが遂にこの週末、そのハゲ箇所が、将来の成長を予感させる柔らかい産毛で覆われ始めているのを発見したのである。息子の写真を載せるのは初になるが、こんな感じである。

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小判型に薄くなっているのがはっきりと確認できると思う。この写真ではむしろ禿げていることの方が強調されてしまうかもしれないが、よくよく近寄って観察してみると、細かい毛がビッシリと復活してきているのを確認できた。また一つ彼は、嬰児の時代に別れを告げようとしているわけだ。やがてこんなことは、本当にあったのかなかったかも定かでない些末な挿話として、記憶の中で断片化していくのかもしれないが、だからこそ記録に留めておく意味もあるかと思った次第である。

ちなみに彼は昨日、保育園で授乳中に吐いたそうであるが、その後は特に変わったことはなかった。下痢を伴うようなこともなかったので、ノロウィルス系の疑いはなさそうである。このところの寒暖の変化が体調不良を招いたか、あるいは知らぬ間に何かおかしなものを口にさせてしまったか、いずれにせよ今のところ尾を引いている様子はない。彼は今日も元気である。もう寝たけど。