政治

シリア難民のニュースについて

シリア難民の殺到による混乱でハンガリーのブダペスト東駅が一時閉鎖、警官隊と難民が睨み合い、というニュースにもの思います。 軍事組織の衝突を逃れてヨーロッパまで辿り着いたと思いきや、今度は警察組織に行く手を阻まれる……クソとしか言いようのない状…

戦争装置・靖国神社

高橋哲哉の『靖国問題』(ちくま新書、2005年)を再読しました。 出版からちょうど10年の節目になるのですね。何の気なしに手にしたのですが、あらためて読むと、安保法制を巡る現代の議論に対しても示唆的だと感じたので、少し紹介しておきます。 主要な論…

警察国家への道

今更だが、特定秘密保護法案が成立した。 この法律の問題点については、ぼくなんぞよりよっぽどしっかり語ってくれる人が多々いるだろうから、そちらにお任せしたい。ちょっと検索すれば済むことだ。なのでここでは、内心・内面の自由の問題に絞りたい。 こ…

テロリストはどっちか

もう十年ほど前になるだろうか、飲み明かした朝にふとつけたテレビで大阪府知事選の政見放送をやっていて、横になったままぼんやりと眺めていたことがあった。喋っていたのは、かなりの高齢と見受けられる爺さんの候補者だった。ただその爺さん、年齢をもの…

知る権利の明記は一歩前進か:特定秘密保護法案について

すっかり消費税増税の陰に隠れてしまった感があるが、特定秘密保護法案をめぐる議論がかまびすしくなっていた。 法案の所管大臣である森少子化担当大臣や、菅官房長官が知る権利の明記について述べたり、政府原案にはなかった文書管理のルールを設けることが…

解釈改憲による集団的自衛権容認に反対する

安保法制懇での審議の後、集団的自衛権容認の方向で憲法解釈を変更する閣議決定を行なう腹を安倍内閣が固めたという報道があった。 反対である。 最近テレビなどでよく見かける安保法制懇の中心メンバーの一人、北岡伸一は、事あるごとに憲法改正の手続きの…

政治家の資質

少し前のことになるが、麻生のナチス発言問題の際に、ある外国人記者が『報道ステーション』の取材を受けていた。もう名前も所属も忘れてしまったが、取材に対するその記者の回答は概ね次のようなものであった。 「公の場でのナチスに関する言及は、否定的な…

大政翼賛会と立憲主義

岩波講座『アジア・太平洋戦争』二巻「戦争の政治学」を読んでいて、大政翼賛会の成立過程で違憲問題が生じていたことを知った。 大政翼賛会といえば、対米開戦を控えた時期に近衛文麿の主導で結成され、戦前日本の全体主義化を象徴する組織というイメージで…

麻生発言について

今さらだが、麻生発言について。 2013年7月29日、国家基本問題研究所が主催したシンポジウムのなかで、この時点での日本国副総理・財務大臣・金融担当大臣である麻生太郎氏が、ナチスに言及したことをめぐる問題である。 全文はこちら。 朝日新聞デジタル:…