思想

戦争装置・靖国神社

高橋哲哉の『靖国問題』(ちくま新書、2005年)を再読しました。 出版からちょうど10年の節目になるのですね。何の気なしに手にしたのですが、あらためて読むと、安保法制を巡る現代の議論に対しても示唆的だと感じたので、少し紹介しておきます。 主要な論…

ナチスと根源悪

善悪二元論が不毛であるというのは、今や一般論レベルの認識になってきた観があるが、それでもやはりナチスを善であるとして擁護する者は、相当に特殊な思想の持ち主と看做されるだろうし、公的領域からは排除されるに違いない。要するに、ナチスは悪である…

大政翼賛会と立憲主義

岩波講座『アジア・太平洋戦争』二巻「戦争の政治学」を読んでいて、大政翼賛会の成立過程で違憲問題が生じていたことを知った。 大政翼賛会といえば、対米開戦を控えた時期に近衛文麿の主導で結成され、戦前日本の全体主義化を象徴する組織というイメージで…